秘密

同じ本を読んでも、男性と女性、大人か子供かで感じるものは違う。それが謙虚に現れる作品らしい。

簡単に言うと、父、母、小学生の娘の3人家族。

母娘が実家に観光バスで帰る際、バスが崖から落ちる。バスの中は揺れる棺桶状態。

母はとっさに娘を庇い、瓦礫や破片がぐざぐさ。即死。

娘は庇われた分、意識不明の重体で済んだ。

娘が目覚めると、体は娘の体、意識は母のもの。

いわゆる多重人格。

娘の体で生き続ける母。

娘の体だが、意識は母のもの。

当然学生のため、学校に通わなければならない。

学校に通う中で自分の奥さんを狙う、同級生たちに父は嫉妬していく。

娘の体に生まれ変わった奥さんに、恋愛をさせるべきか。

父である自分も新しい奥さんを探そうか。

父が娘の担任の先生に恋をし、運動会で盗撮してその写真で、気付いたらマスターベーションをしていたシーンには思わず笑った。

娘の体に憑依している奥さんとエッチをしようとするも、さすがにやめたようだ。

君だったらどうする？

体は娘だが、意識は愛する奥さん。

最後の秘密には息を呑んだ。

母の無条件の愛というか、自分の意識を殺して娘として生きることを決めた奥さんの、家族に捧げる愛には脱帽。